前回のコラム 冬の養生のはなし① では、冬の邪気の事や「貯蔵」というキーワードをお伝えしましたが、もうひとつのキーワード「補う」事について今回はお伝えします。
前回も書きましたが、冬は身体を養うのに一番良い季節です。栄養を身体に蓄えて滋養し、次の1年間に備えましょう。
それではどのような食材で「補う」か。
薬膳で冬に良く用いるのは、次のような食材です。
・元気を補う食材(補気の食材)
穀物類、芋類、鶏肉、牛肉、豆腐、青魚など
「気」は、身体全体に関わるエネルギーです。肉体疲労やストレスなどで消耗します。また気遣いしすぎる人も消耗しやすいです。胃腸の不調がなく、しっかり食べて元気になりたい時にはこのような食材を使いましょう。胃腸が弱い人は消化の良いお粥がおすすめです。
・血を養う食材(養血の食材)
ほうれん草、人参、落花生、イカ、タコなど
女性は毎月の生理もあり慢性的に血が不足している人が多いです。血の生成と流れには気の働きも必要なので、できれば補気の食材と合わせて取りましょう。
・身体を潤す食材(滋陰の食材)
豚肉、貝類、ごま、小松菜、アスパラガス、いちごなど
冬は乾燥し、身体の潤いも不足しやすいです。体内に必要な水分を陰液といいます。これら「滋陰」の食材は身体の陰液を補い臓腑を潤し、また、目、鼻、口、毛髪、皮膚などの乾燥も防ぐ事ができます。
・臓腑を温める食材(温裏の食材)
鮭、鯵、にら、ピーマン、唐辛子、黒砂糖など
「温裏」の裏とは、体内の臓腑を指します。つまり内臓を温める食材です。冬は寒さで冷えやすく身体を温める働きも低下しやすいので、このような食材で冷えを改善しましょう。
・気を巡らせる食材(理気の食材)
玉ねぎ、らっきょう、みかん、グリンピース、ジャスミンなど
冬は寒さで身体がギュッと縮こまりやすくなり、気の流れも悪くなりがちです。気が滞ると血も滞りやすくなります。「理気」の食材には巡りが良くなるよう香りのあるものが多いです。
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