Organic Column

看護師/整体師ベルヴィストYukoさんによるカラダのお話 塩と自律神経

こんにちは。ベルヴィストYukoです。
日常生活の中で起こるカラダの反応や変化に「あれ?」と、疑問に思ったことはありませんか?
そんなちょっとした『気づき』を自律神経の視点で紐解くと、カラダはみんな繋がっていて、その働きぶりには“愛おしさ”さえ芽生えてきます。
“自律神経”というと、一見難しく思える世界ですが自分と向き合うツールとして、もっともっとカラダの働きを知って欲しいという思いでお伝えしています。今回は、塩で体感したカラダの変化を自律神経の視点で見てみましょう。

想像以上に正しく働いている、私たち人体の仕組み

『ミネラル補給しよう~』と、お気に入りの天然塩(海水塩)をフライドポテトにたっぷりかけて食べていたところ、急に口の中が苦くなり食べたくなくなりました。

皆さんは経験ありますか?
この口の中の違和感は何?私のカラダが調子悪いのか?塩が傷む??
 
実はこれ、カラダのブレーキ反応だったのです。
(カラダのブレーキ反応とは、脳がカラダにとって危険!不要!と判断した時ストップの指示を出す反応のこと)
天然塩(海水塩)には、ミネラル成分がたくさん含まれています。
その中の苦味成分でもあるマグネシウムでブレーキ反応が起こったようです。
ちなみに、海水から塩を取り除いた後に残る液体をニガリと言い、主成分はマグネシウム。
豆腐の凝固剤としても使用されていますが口に含むと苦いことから苦汁(ニガリ)と付けられたそうです。
この苦味成分(マグネシウム)は、カラダに必要なミネラル成分でもありますが摂りすぎると毒になることをカラダは知っています。
なので、必要以上に摂らないように、欲しくなくなるブレーキを発動させます

 
逆に、ニガリを含まない精製された塩(塩化ナトリウム)では、カラダも気がつけないのでブレーキの発動ができず際限なく食べることが出来ます。塩の摂り過ぎで、高血圧が問題といわれていますが、こういった側面から考えると塩が問題なのではなく、またカラダも正しく働いているのだと感じます。
精製されているものに砂糖やお米などありますが、特に甘味はカラダがブレーキを持ち合わせていないので“中毒性が高まる”というわけです。未精製の黒砂糖や玄米は不純物(ミネラル成分)を含みブレーキが働くので、食べ過ぎることがありません。

自律神経の視点から考える、ミネラルの上手な摂り方

では、この苦味でどのようにブレーキがかかるのでしょうか?
塩をはじめにキャッチするのは舌です。舌にある味覚センサーで塩味・甘味・酸味・苦味・うま味を感じます。
その時、瞬時に働くのが自律神経(交感神経・副交感神経)となります。
※自律神経とは、自分の意思とは無関係にカラダの働きを調整している神経で交感神経(昼間の活動や興奮時に働く)と副交感神経(食事やリラックス、休息時に働く)があります。どちらの神経も、行き過ぎると症状などで危険をお知らせしてくれます。

 

『苦み』は、多く摂り過ぎると交感神経を下げます。(血圧も下がる)
※子供の頃、苦手だったピーマンの苦みが、大人になって食べられるようになった方も多いのではないでしょうか。特にご年配になると交感神経が高まっていくので、苦めのお茶や山菜などを好まれることが多いですね。
交感神経の高め過ぎを防ぐために、カラダは自然と『苦み』成分を欲して食べられるようになっていきます。

舌がキャッチする味覚と、自律神経の動き

たっぷりかけた天然塩で、はじめは美味しく頂けました。…が、
私のカラダにとって必要以上に摂りすぎとなった時点で、交感神経が下がる。

相反作用により副交感神経が高まり過ぎる

ブレーキ反応が発動し『苦み』を強く感じる。(嫌なもの反射といいます)

食べたくなくなる

これが、私の口の中で起こった違和感(お知らせ)のようです。

自分自身の塩梅(あんばい)を知って、心地よくすごしてみよう

強めの苦み・渋みにアク(灰汁)がありますが、野菜や山菜のアク(灰汁)を抜く必要のあるものは、カラダにとっては毒となるからですね。
こちらも摂りすぎると交感神経が下がり、反対に副交感神経が高まり過ぎ(相反作用)、排泄機能を活発にして下痢や嘔吐といった症状で、カラダから毒を出そうとします。
医薬品では酸化マグネシウム剤という便秘薬があり、マグネシウムを一度に大量摂取することで排泄機能を活発にさせていますが、それも同じ原理です。

私は、副交感神経が高めタイプなので(子供のように笑)
「お気に入りの塩も控えめにね」とカラダがブレーキをかけてくれました。
それを無視して食べ続けると下痢や嘔吐などの症状(排出促進)が出ていたかもしれません。
私たちは、『自分のカラダを守るため』の働きを色々な形で備えています。
精製しているものが『悪』、していないものが『善』と捉えるより、カラダのメカニズムを理解し自分にとっての塩梅(あんばい)を知る事が、『心地よく過ごす』ために大切なのだと思った一コマでした。

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Yuko

ベルヴィスト歴18年

『香ko』フランス式アロマテラピー&整体のサロンオーナー
看護師として10年間病院に勤務。
自身の体調不良から東洋医学や自然療法に興味を持ち、整体の勉強を始める。
2013年カラダへの負担を最小限にした治療法で心とカラダを整えるサロン【整体 momo】をスタート。
2020年4月より“日常生活の中で活用できるアロマ”を学ぶスクール『香 ko』フランス式アロマテラピー&整体サロンを京都北白川にオープン
2児の母。

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